【睡眠時頭痛】こんな頭痛があります|おくだ脳神経外科クリニック|福岡県糟屋郡篠栗町の脳神経外科・内科【頭痛・脳卒中・認知症の専門医】

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【睡眠時頭痛】こんな頭痛があります

【睡眠時頭痛】こんな頭痛があります|おくだ脳神経外科クリニック|福岡県糟屋郡篠栗町の脳神経外科・内科【頭痛・脳卒中・認知症の専門医】

2026年10月18日

【睡眠時頭痛】こんな頭痛があります

【睡眠時頭痛】こんな頭痛があります

開院から8か月ほどが経ちました。
日々の診療で患者さんに説明していることや、改めて勉強し直したことなどを、少しずつコラムにまとめていこうと思っています。自分自身の知識を整理し、診療での説明にも役立てながら、皆さんにも病気について知っていただく機会になればと思います。
また、正直にいうと、クリニックでの一回の診療だけでは完全にわからない病気や症状もあり、しっくりこない時は論文や正書で改めて調べることもあります。経過を追っていって初めて診断できる病気もあります。そういった中で得た新しい知識や、さらに詳しく学んだことなども、コラムにまとめていければと思っています。また、自分が専門で皆さんにもっと知ってほしいマニアックな分野の話も書きたいと思います。時間のあるときに、できるだけわかりやすく書いていきたいと思います。

1.頭痛の診断名は実は200種類ある!

頭痛には、片頭痛や緊張型頭痛など、よく知られたもの以外にも実は、さまざまな種類があります。
頭痛の診断には「国際頭痛分類」という世界共通の分類が用いられています。現在使用されている国際頭痛分類第3版(ICHD-3)(下図)では、頭痛は細かな病型まで含めると約200種類にも分類されています。例えば、よく知られている【片頭痛】だけでも、前兆のない片頭痛、典型的前兆に片頭痛を伴うもの、慢性片頭痛、、など20種類ほどの細かな分類があります。

今回は、その中でも少し珍しい「睡眠時頭痛」について紹介します。

2.睡眠時頭痛とは?

睡眠時頭痛は、その名の通り、睡眠中に起こる頭痛です。

特徴的なのは、毎回、眠っている途中に頭痛が起こり、その痛みで目が覚めることです。

毎晩ほぼ同じ時刻に頭痛で目が覚めることもあるため、「目覚まし時計頭痛(alarm clock headache)」とも呼ばれています。
比較的珍しい頭痛で、50歳以上の方に多いとされています。
国際頭痛分類では、月に10日以上、3か月を超えて繰り返すことなどが診断基準に含まれています。
頭痛は両側性のことが多く、軽度から中等度の鈍い痛みが一般的です。
痛みは目覚めてから15分〜4時間程度続き、日中の活動中には頭痛が起こらないことが特徴です。

3.なぜ眠っているときだけ頭痛が起こるのでしょうか?

睡眠や体内時計の調節に関係する脳の「視床下部」が関与している可能性が指摘されていますが、明確な発症機序は解明されていません。
睡眠中にだけ頭痛が起こり、目が覚めると徐々に改善するという、不思議な頭痛です。

4.寝る前のコーヒーが治療になる?

睡眠時頭痛で興味深いところは、就寝前にコーヒーを1杯飲むことで、頭痛を予防できる場合があるということです。カフェインに効果があるとされています。
通常、カフェインには覚醒作用があるため、寝る前のコーヒーはよくないと言われます。しかし、睡眠時頭痛では、就寝前のカフェイン摂取によって頭痛が改善することが報告されています。
もちろん、すべての方に効果があるわけではなく、不眠や動悸などにも注意が必要です。
カフェイン以外にも、インドメタシンや炭酸リチウムなどの薬剤を治療に使用することもあります。

5.夜中に頭痛で目が覚めたら、睡眠時頭痛?

ここは注意が必要だと思います。
夜中に頭痛で目が覚めるからといって、必ずしも睡眠時頭痛とは限りません。
片頭痛や群発頭痛も睡眠中に起こることがあります。また、睡眠時無呼吸症候群などが関係している場合もあり、ちなみに、ややこしいことに睡眠時無呼吸性頭痛という頭痛もあります。

特に注意したいのは、横になると、立っている時より、頭の位置が体に比べて低くなります。そのため、脳腫瘍や水頭症(脳に水が溜まる病気)などによって頭蓋内圧(頭の中の圧力)が上昇している場合には、横になることで頭蓋内圧が上昇し、夜間や早朝に頭痛が強くなることがあります。特にお子さんの頭痛には注意です。

睡眠時頭痛と診断するには、症状を詳しく確認し、必要に応じて検査を行い、ほかの病気が隠れていないことを確認することが大切です。

6.最後に

少し珍しい「睡眠時頭痛」を紹介しました。
頭痛の分類は200種類もあり、今回のように睡眠中にだけ起こる頭痛もあるため、今後も珍しい頭痛の紹介をしようと思います。
睡眠時頭痛は、一般的には睡眠を妨げると考えられているカフェインが、頭痛の予防に役立つことがあるという点が興味深いです。
夜中に繰り返し頭痛で目が覚める場合には、睡眠時頭痛だけでなく、ほかの病気が隠れている可能性もありますので、一度、医療機関で相談されることをお勧めします。

参考文献
Headache Classification Committee of the International Headache Society (IHS). The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition. Cephalalgia. 2018;38(1):1–211.

おくだ脳神経外科クリニック
院長 奥田 智裕 (日本頭痛学会認定 頭痛専門医)

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